番外 つま恋2006 by 特派員K

 特命特派員Kから「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋 2006」のレポートが届いた。
  1975を知っている人も知らない人も2006を味わって欲しい。

■リハーサル■
 私たち一行(両親、妻、娘2人)は運良く、つま恋敷地内のホテルに宿泊。車でスイスイと現地入り。(ちょっと自慢です)
 下見を兼ねて会場近くのエリアまでいくと、拓郎のリハーサルの声が!「消えていくもの(比較的新しい曲)」「ともだち」のリハーサル中でした。
 明日に備えてホテルでゆっくり食事を取り、0時には就寝。ちなみにホテル宿泊組の中にも、徹夜で入場ゲートに並ぶ人たちが多数いました。

■当日--そこはつま恋か代々木公園か-■
 ホテルで朝食を取り、テクテク歩いて入場ゲートまで。(家族はチェックアウトぎりぎりまでホテルの中でゆっくり遊んでいました)
 「つま恋」開園8:30AMには既にゲート前には1km近くの長蛇の列!結局、つま恋の中に宿泊したのに、再入場できたのは9:15過ぎ。更に開場の10:30になってゆっくりと列が動き出し、場内には11:30前に到着。

 ステージは75年のつま恋のステージ白テントのデザインをベースに黄色、青、緑を基調とした比較的シンプルなステージ。場所取りをして、一旦会場外へ。(場所はブロック指定の為、一番後ろの方)会場外のフードコーナ(出店)で焼きソバ等、食料を調達し、両親と開演中の注意事項を確認し、家内と会場内へ。(開演中、両親は外で娘2人の世話係)

 開演までの暫しの間、場内を観察。カミサン曰く、「なんかメイデー(労働者の祭典)の代々木公園みたい!」 確かに40~50代が圧倒的で、「のぼり」や揃いのTシャツ、はっぴ姿が目に付き、ところどころで宴会が始まっており、普通のコンサート会場では見られない光景でした。

■いよいよ開演--全五部構成-■
 13:20頃いよいよ開演!拓郎と一緒にかぐや姫も登場し、山本山田バージョンの「旧友再開フォーエバーヤング」でスタート。コウタローも会場に来ていたようですが、ステージには上がらせてもらえず。
 そして2曲目はコンサートでは久しぶりの「ペニーレインでバーボン」。放送禁止の「つんぼ桟敷」の箇所は歌詞を変えての熱唱(変えた歌詞は確か「蚊帳の外」だったと思います)
 その後は90年~00年代の曲を中心に進行し、75年「つま恋」を期待していた年配の方々はちょっと肩透かしにあったよう。「イメージの詩」で第一部終了。(第一部はPAの調子が悪い感じで、しかも風も結構強くて後ろの方では、音のバランスがかなり悪かったです)

 第二部は瀬尾一三率いるストリングスを加えた拓郎バンドをバッグに久々のかぐや姫のステージ。「妹」からスタート。こうせつの「朝までやるぞ~!」に観客大喜び。
 当然、70年代の曲しかやらないかぐや姫のステージは拓郎の第一部に比べて、圧倒的な盛り上がりでした。

 第三部は拓郎が新旧(70年代、90年代、00年代)織り交ぜてのステージ。この時間帯は相撲中継の為、NHK-BSでは放送されず。
 ゲストのムッシュの登場に場内、大喜び。当然、曲は「シンシア」と「我が良き友よ」。第三部は(中島)みゆきさんの「ファイト!」の弾き語りで終了。1996年の「日本を救え!コンサート」以来、拓郎は何度かステージでこの歌を歌っていますが、この後のゲスト(みゆきさん)に敬意を評しての選曲か?

 三部と四部の間の休憩時間は食料調達、トイレ、喫煙タイムとなり、通路は大混雑。ドリンクコーナ(アルコールも販売)だけは開演中、休憩を問わず、いつも混雑していました。

 第四部はかぐや姫3人だけのステージが「僕の胸でおやすみ」でスタート。
 この辺りから、陽も落ちて暗くなりだし、イベントらしくなり、気分も上々。観客はかぐや姫3人だけの演奏にやはり大喜び。後半、石川鷹彦がゲストミュージシャンで参加し、「おもかげ色の空」でかぐや姫のステージは全て終了となったが、「神田川」の演奏は無し。アンコールへの布石とは判るが、ちょっとミエミエな構成。本編中で1度歌って、アンコールで再度歌っても良かったのでは?
 この後、 トイレに行ったときに警官が酔っ払い(腰が抜けて、立ち上がれず)を車椅子に乗せて、救護室へ運んでいました。

 第五部(最後のステージ)は拓郎フルバンドでの「ああ青春」でスタート。
 75年つま恋、79年篠島でのオープニング曲で観客全体が70年代へタイムスリップ。ここから、数曲を除いて70年代名曲のオンパレード。観客全員が狂喜乱舞!
 「人生を語らず」を歌っている時に、スタッフがマイクスタンドを追加してセッティングしはじめたのをモニタ画面で確認。次の曲にゲストがでることが判り、松任谷正隆か加藤和彦を予想。
 しかし、予想は全くハズレ、みゆきさん提供の「永遠の嘘をついてくれ」のサビを拓郎が弾き語りで歌い始め、その後、まさかの中島みゆきが登場し、デュエットへ。このツーショットが見られるとは!両者のアレンジャーである瀬尾一三の功績大。 
 本編ラスト近くの「落陽」が終わった時点で、電車の都合なのか、帰りだす客もチラホラと出始めました。「落陽」ラストでは花火が数十発、私の席のすぐ後方から打上げられ、演奏が聞こえないくらいの(花火の)迫力でした。
 「今日までそして明日から」(本編ラスト)の後は、規制退場を避ける為に多くの人たちが通路へ向かっていました。

■アンコール!■
 そしてアンコールはかぐや姫の「神田川」、拓郎「聖なる場所に祝福を(最新アルバム)」。最後の最後でまたもや観客は拓郎に肩透かしをくらわされた感じでした。
 終演後は大勢の観客の流れとは別方向の宿泊者専用駐車場に向かい、これまたスイスイと次の宿泊先(掛川のビジネスホテル)へ移動。

■2006年のおとな■
 ムッシュはとても67歳とは思えない。相変わらずのひょうひょうさ加減が最高でした。
 最近の拓郎を知らない観客が多っかた様子で、全体的には70年代の持歌のみを演奏した「かぐや姫」勝利。3年半の活動しかしていない「かぐや姫」と、今も現役で活動している「拓郎」では持歌数も違うため、一概に比較は難しいところもありますが。
 拓郎は80年代の曲を殆ど歌わず、80年代からリアルタイムで拓郎を聞き始め、85年のつま恋を体験した私としてはちょっと物足らない感じもありました。
 イベント向けの大曲「アジアの片隅で」「ファミリー」「王様達のハイキング」等を全く歌わなかったことも、ちょっと残念。肺がんの影響もあり??(まぁ「人間なんて」は歌うはず無いと思っていましたが)
 今回は私の両親がコンサート中、外で娘達の面倒を見てくれたのでイベントに参加できましたが、「未就学児の入場不可」は如何なものか?事故対策だと思うが、結構、泣く泣く参加を諦めた人もいたのでは。
  とはいえ、台風もそれて秋風の中、素晴らしい大人のイベントでした。