神様とオヤジたち by H

初めてこの目で神様を見た!ついでにその神様を信じるオヤジ達も見た!!
 2002年5月12日、柏市のホールで行われた岡林信康のコンサートに行った。柏市を中心に活動する「戦うオヤジの応援団」なるフォーク親父たちの主催するコンサートだ。第1部はオヤジ達17人・組が自ら次々にステージに立ち、オリジナル曲や懐かしいフォーク、ギタープレイを1~3曲程度ずつ披露。リストによれば、遠く関西地方からの出演者もいたらしい。みんな素人ではあるが、年季が感じられるなかなかの腕前だ。オリジナル曲もいい。演奏し終わるとギターをステージ後方に順に置いていく演出も憎いなあ。 ズラ~と並んだギター(しかもマーチンが多い!)は圧巻だ。キット、みんなフォークが大好きで、ギターがいとおしくてたまらない人達なんだ。
 実は 初めてだった僕は、オヤジ達を甘く見ていて第1部は聴く気などなく、第2部の席取りのつもりで第1部の後半あたりから入ったのであるが大後悔。最初から聴いていればよかった・・・今度行くときはちゃんと聴きますよ、山下さん。

 で、休憩を挟んで第2部。いよいよ神様、岡林信康の登場だ。最近は三味線や和太鼓の5人組をバックに演ることが多いらしい(さすがエンヤトット)が、今日はピンで弾き語り。本人曰く「低予算コンサート」だそうな。いきなりのギャグでつかみはOK(漫才じゃないんだけど)。

 「ペンノレ」、「モンゴル草原」、「チューリップのアップリケ」、「君に捧げるラブソング」、と『歌祭り』からの曲が続くなか、しゃべくりでは受けっぱなし(だから漫才を観に来たわけじゃないんだってば)。
 オヤジやオバチャンたちの贔屓目(?)もあるだろうが、僕 自身も「岡林のしゃべくりに受けている自分」に酔ってみる。生(ライブ)ならではの心地よさだ。「月の夜汽車」では、美空ひばりとの思い出話しに続けて、「でも、誰とあっても今までアガッたことはない。なぜなら私は神だから・・・」と笑い飛ばしていた。
 もうずいぶん前、TV番組でタモリと自分自身が「神様」になり切れなかった頃のことを、尾崎豊に重ねて話していたのを思い出す。今じゃもう全然平気。神様も超えちゃったか?何せギャグにしちゃうんだからね。

 「風詩」では、この曲が出来たとき、自分の年のとり方に自信というか確信を持てたとか。若いやつには絶対作れない、って。それならこっちもその気で聴いてやる!ミーハーで来てんじゃねえぞ!!  ・・・でもあとでサイン だけはして下さいね。

 最後は「俺だけに汗をかかせていいのか!」と無理矢理(笑)の全員総立ち&手拍子。アンコールも「すぐ出て来るからね」といったん引っ込んで、会場に遊びに来たという津軽三味線の高橋希脩さんとともに本当にすぐ再登場。エンヤトットの大合唱で90分の宗教活動、じゃなかったコンサートを締めくくった。

 コンサート後、会場ではCD『歌祭り』の手売り、サイン&握手会。
 CDは予定の100枚がほぼ売れたようだが、「家にはCDがぎっしり詰まったダンボールが山積みで、それを見るたびに俺はやってはいけない事をやってしまったんだろうか・・・」 だって。
 神様だってやっぱり悩むのだっ